不動産投資の節税の仕組みについてお話しします。不動産投資で利益があれば、税金を納める必要があります。節税とは、手続きをすることで、優遇を得るとかタイミングをずらして、負担を平準化するなどのイメージです。例えば、サラリーマンが不動産投資を始めた場合、給与については会社が税金の計算をして、総支給額から差し引いた残りを支給してくれるので、自ら計算する必要がありません。しかし、家賃収入の分は確定申告をする必要があるので、税理士さんにお願いして計算をしてもらうと良いでしょう。ここで、青色申告をすることで、控除が受けられます。
また、不動産投資物件を購入した初年度は、経費がたくさん掛かりますので、おそらくマイナスになります。そのマイナス分を給与所得と合算することで、損益通算ができます。給与所得で納めた税金が戻ってくる可能性があります。
お金は出て行かないけど、経費にできるのが減価償却費です。建物価格を建物の法定耐用年数から築年数を引いたのこりの年数で割った額が、毎年経費として計上できます。
つまり、収入から経費を引いた残りから減価償却費を引いてその残りに税金が掛かります。1億円の物件で建物価格が5,000万円として、20年の残存年数が残っていれば、年額250万円を利益からひいた残りに税金が掛かります。手残りが300万円だったら、税率が30%として90万円の税金が掛かるところ、250万円が引けるので、50万円に税金がかかるので、15万円で済むことになります。
融資を受けて物件を購入した場合は、返済をすることになります。返済額のうち金利は費用になるので税金が掛かりませんが、元金には税金が掛かります。通常は元利均等払いでローンを組むので、返済期間の満了の頃には金利の負担割合はほとんどありません。初年度は金利の負担割合が一番高くなります。返済が進み返済満了の数年前からほとんど返済額の100%が元金となります。つまり段々と税負担の割合が増すことになります。ローンの返済額分は出ていくお金なので、そのお金に税金が掛かるので、純利益を圧迫します。
また、減価償却について前述しましたが、返済期間を30年と仮定すると、木造の新築でも22年ですので、残りの8年間は減価償却の恩恵を得ることができません。つまり、減価償却の税の優遇期間を終えてから、返済が終わるまでの間がとても税金の負担が大きくなります。これを調整するには、減価償却期間を過ぎるころに、物件を購入すれば、新たに減価償却費の恩恵を得ることができるので、一棟目の税負担を軽減できます。一棟目の返済が終われば、キャッシュフローがぐんと上がりますので、税金の負担も軽くなります。このように、家賃収入の額、借入額、借入期間、金利、物件の築年数の数字から、シミュレーションを行い、税金についても負担計画を立てることが重要となります。