不動産投資に融資について、お話しします。不動産投資は金融機関からお金を借りて行います。それは、借りたお金で運用した方が金額が大きくなり利益も大きくなるからです。1億円の自己資金を持っていたとして、1億円で1億円の物件を購入したと仮定します。利回りが10%であれば、年間1,000万円の家賃収入が入ります。ここでは単純化するために経費等を無視します。自己資金を回収するのに10年が必要ということになります。
それに対して、1,000万円を頭金にして9,000万円を借り入れて、不動産投資をしたと仮定します。利回りは10%ですから年間1,000万円の家賃収入が入りますので、1年で自己資金を回収したことになります。自己資金はあと9,000万円残っているので、さらに物件を購入できることになります。経費や返済を無視していますが、融資を受けて不動産投資をする方が利益が大きくなることは直観的にもお解りと思います。
もう少し融資について、具体的にお話ししていきます。不動産投資を融資を受けて行うことは、頭金で大きなお金を動かすので、”レバレッジを効かせる”と言います。レバレッジとはテコという意味ですが、小さな力で動かすのが良いなら”1%でも良いのだろうか”という疑問にぶち当たります。
不動産投資を行いたい人は大勢いますが、もともとそのために貯蓄をしている人は少ないので、自己資金をなるべく抑えたい人がほとんどではないでしょうか。頭金なしでローンを組んでも必ずしもダメではありませんが、返済額についても収入との比率を考慮する必要があるのです。
例えば、頭金にする額を物件価格の10%と仮定します。90%は銀行から借りるとします。金利が2%で返済期間は30年です。利回りは8%とすると、年間の家賃収入は1億円の物件なら800万円となります。返済額は50%になりますので400万円です。100%を銀行から借りるとすると、516万円になるので返済額は64%にまで高くなります。経費は空室損も含めて20%と仮定すると、返済比率が50%なら30%の純利益がのこり、返済比率が64%ならば、16%が純利益になります。この16%の順利益では、何かあるとすぐにマイナスに転落する可能性があります。利益に余裕がないからです。
このように、物件の利回り、借入金利、返済期間、が余裕を持った返済計画になっている必要があります。もし、返済の比率が高くなったら、自己資金を今より入れるか、金利を下げる交渉をするか、返済期間を長くとるかなど、利益を大きくすることを考える必要があると思います。