不動産投資の積算価格についてお話しします。不動産投資は一棟アパート、一棟マンションを購入して、賃貸に出して収益を上げるものです。この一棟アパート、一棟マンションの新築もしくは中古の場合の価値判断の一つで、銀行が融資をする際の基準になるものです。
積算価格は土地の積算価格と建物の積算価格の和になります。まず、土地の積算価格は基準となる土地価格を使います。基準となる土地価格は
・公示地価
国土交通省が毎年1回公表する1月1日時点の土地価格をいいます。
(2名の不動産鑑定士による価格のため正確とされている)
・基準地価
公示地価と基本的に同じです。7月1日現在の土地価格を言います。
・路線価
国税庁が所轄している土地の評価価格です。相続税路線価と固定資産税路線価です。
相続税路線価は公示価格の8割、固定資産路線価は公示価格の7割と言われています。
土地の積算価格は上記の3つを基に算出されます。実際に銀行がどのように行うかは銀行によっても異なるので、積算価格は必ずしも同じになるとは限りません。
例として相続税路線価を1㎡あたり10万円とします。土地の広さが100㎡とすれば、
10万円×100㎡=1,000万円となります。・・・①土地の積算価格
建物の積算価格は建物の構造によって異なります。
再調達価格を使用します。再調達価格とは、建物を新たに新築したときの平米あたりの価格をいい、構造によって以下の通り決められています。
・鉄筋コンクリート 20万円/㎡
・鉄骨造(重量鉄骨)18万円/㎡
・木造/軽量鉄骨 15万円/㎡
木造の場合で100㎡であれば、1㎡あたり15万円なので、
15万円×100㎡=1,500万円となります。これは新築の場合です。
中古の場合は、以下の耐用年数によって経過年数との比率で減額します。
・鉄筋コンクリート 47年
・鉄骨造(重量鉄骨)34年
・軽量鉄骨 19年(参考:あまり明確に言われていないため)
・木造 22年
木造で11年経過の場合
新築の場合を1,500万円とすると、
1,500万円×(耐用年数-経過年数)÷(耐用年数)
=1,500万円×(22-11)÷22
=750万円・・・② 建物の積算価格です。
となります。
物件の積算価格=①土地の積算価格+②建物の積算価格
=1,000万円+750万円=1,750万円となります。
土地の積算価格は土地の形状によっても減額されるので、評価に出してみないとわからない部分となります。